はこどりの自由研究

冒険はいつもそばにある。

両親学級感想文

先日、旦那と一緒に病院の両親学級に行ってきた。今通院中で出産予定のその病院では、立ち合い出産を希望する人は、両親学級を受けなくてはいけないことになっている。妊婦の私としては、旦那も人の親なのだから出産を見ておいたほうが良さそうだなあとなんとなく思ったし、旦那は旦那で「立ち合うかどうかはともかく、両親学級は行ってみたい」(旦那曰く、旦那の妹が出産する際に、その旦那が立ち合う予定だったが、いざ分娩が始まってみると、「出産に集中できない! 邪魔!」と分娩室から追い出された、とのことで、「いざ始まってみたら追い出されるんじゃないか……?」という思いがあるそうで、立ち合いそのものにはいまいち積極的でない。)とのことで、双方合意の上で行ってきたのである。(どうやら、私が受けた両親学級でも、妊婦の妻に強引に連れてこられた夫、もいたようだ。)

ここで、旦那のプロフィールをおおざっぱに紹介する。旦那は幼少時からふくよかな体型で、そのまま大人になってしまった。もともとふくよか気味だったのに、就職してから10キロ体重が増えてしまい、また、学生時代にヘルニアをやって、腰痛に悩まされている。ヘルニアと妊娠で原因は異なるものの、腰痛対策が最近の共通の話題である。そんな彼にはすでに3人の姪がいて、その近所に住んでいたときには、何かにつけて世話を焼いていたらしい。我が家の出産のあとに彼は1ヶ月育休をとる予定なのだけれど、彼はすでにミルクも、おむつ替えもできて、お風呂も入れられるので、現時点で妊婦の私よりも育児スキルは高い。今でも帰省の際に姪と遊び、ミルクを飲ませ、だっことおんぶとお馬さんをせがまれ、腰をかばいながらリクエストに応え、でれでれしている。

ここまで書いて説明したかったのは、両親学級で想定されているであろう「何も分からないパパ像」とうちの旦那の実態が大きく乖離していると思われることである。そこそこ体験済みなのだから、両親学級、いらんやろ、レベル。実際、彼が受講して、知識としては新しく身につけたことはほとんどないんじゃないかなあ。

受講内容は、

  • 妊娠・分娩・産後の経過と注意点
  • 妊婦ジャケット着用体験
  • 「妊娠中・分娩時・産後、パパ(もしくは同伴者)にしてほしいこと」「妊娠中・分娩時・産後、ママにしてあげたいこと」グループワーク
  • 入院時・面会時の説明や注意点
  • 出産場面のDVD視聴
  • 病棟見学

くらいだった。よく聞く、ミルクの飲ませ方、おむつの替え方、お風呂の入れ方、は無かったなぁ。うちの旦那にはいらなかったからちょうど良いのだけど。私としては、「立ち合い出産を希望する人は、両親学級を受けなくてはいけないことになっている」という講座の性質上もあるのだけど、病院そのものの説明を一緒に受けられたのは良かったなぁと思う。病院で受けた説明を旦那にもう一度するの結構めんどくさいし、いざ入院してからは説明する余裕などなさそうだし。旦那は出産場面のDVDが「感動した。見て良かった。」と言っていた。(私は痛そうで見ていられなかった。)あとは、グループワークでまわりの父親よりもよくわかっている自分に気づき、優越感をもったらしい。自信があるのは良いことだ。

総評としては夫婦揃って「両親学級は行っておいて良かったね。」という感想をもった。

ということが、つい先日のことで、私にとってあまりにタイムリーに飛び込んできた話題。

togetter.com

実は、両親学級を受けるにあたって、旦那がいちばん気にしていたのがこの妊婦ジャケット着用体験である。「いつも妊婦体型で腰が痛いんだから、いらなくない?」「おもり付けて腰がピキッてなったらどうしよう。」などと言っていた。旦那が体験したのは10キロのおもりで、妊婦ジャケットをつけたまま、歩く、落ちたものを拾う、靴下を脱ぐ、その後はく、寝っ転がって起き上がる、といった動きを体験していた。やってみたら、ふだんの腰痛時の体の動かし方を応用して、なかなか機敏に動いていた。旦那の感想は

「10キロ重いな。あの分太ったんだから、あれだけ痩せなきゃ。」

というもので、「そうだね。」とか答えたと思う。妊婦ジャケット着用体験から妊婦の大変さがわかるとは私は思っていなかったし、旦那もそうだと思う。それはそれ、これはこれ。いわば、これは茶番、という理解であった。

というか、ゆとり世代のみなさん、妊婦体験を小学校とかでやりませんでした? ランドセルの中に荷物を山のように詰め込んで、肩ひもをゆるめて重い部分が下にさがるようにして、前に背負って、階段を昇り降りするやつ。当時も「なんだこれ」「重い荷物を持ったら重いに決まってる」「っていうか、これ持って毎日学校に来てるし」とか思いつつも、先生が求めているであろう「にんぷさんは大変だと思いました。」みたいな感想を書いたんだと思う。

で、その記憶をもってしても、妊婦ジャケット着用体験と妊娠は全然違う。もちろん、個人差があるから、個人の感想でしかないけれど、そして、まだ妊娠8ヶ月なので、臨月の本当に体が重くなるところは経験していないのだけど。今、体が重いことよりも、妊娠初期のつわりや、ホルモンバランスの変化でやたらイライラしたり、だるくて眠かったりするほうがつらかった。妊娠前はこんなにきついと思ってなかった。で、職場が経産婦のおばちゃんだらけなんだけど、話を聞くに、妊娠中の症状はほんとに個人差の世界。だから、女性なら思いやれるとか、そういう問題でもない。

何の話だっけ? そうそう、妊婦ジャケット着用体験で腹筋しちゃった人の話ね。だから、腹筋しちゃった人は、茶番を茶番として処理する能力に欠けていた、というただそれだけの話なのでは? と思った。少なくとも、これだけだとそれ以上は読めない。例えばだけど、両親学級の帰り道に、「この強い俺が妊娠するんだったら良かったのに!」って言ってたら、逆転するんじゃないかなぁ。

妊婦ジャケット着用体験そのものの是非もツイッターで話題になっていたようだけど、私なら、ただ座学でずっと説明を受けていたら、たぶん寝る。すやすや寝る。茶番は茶番だけど、茶番なればこそ、両親学級やった感のためかもしれないけど、あっても良いかなと思う。妊婦ジャケットの写真撮っている人もいたな。

なんかまとまらないけど、このへんで。